2006/01/11

文書は正しく書きましょう: NTTコムウェアのOpenOffice.org文書 [参考]

NTTコムウェアがOpenOffice.orgを導入していたそうです そしてこの度、その使用途中経過の報告文書が公開されました。
OpenOffice.org日本ユーザー会は1月10日,NTTコムウェアが作成した「OpenOffice.org社内導入についての経過報告」と題する文書を公開した。NTTコムウェアではOpenOffice.orgの全社導入を目指しており,その先駆けとして2005年11月にオープンソース推進部内へOpenOffice.org2.0を導入,107名が全ての文書作成をOpenOffice.orgで行っているという。
NTTコムウェアが「OpenOffice.org社内導入の経過報告」を公開:IT Proより

公開された文書は全てOpenOffice.orgで書いてありました。こりゃあーまじだぜ!! 早速読んでみました。

で簡潔に感想を言うと、全然使えてないって感じです。なぜならスタイルベースの文書ではないからです。OpenOffice.orgの強みは、MSOfficeにはないその完成されたスタイルベースの文書作成能力にあると言っても過言ではありません。なのにそれを完全に無視して、フォントサイズを変えたり、段落を区切ったり、ひどいもんです
スタイルベースで文書を作成する利点は、
  • 文書に統一感を出せる
  • 全ての段落の書式を一括して変更できる
  • 指定した段落で改ページなどができる
  • 目次や索引が作れる
などがあります。

しかし恐らく、世の中の大半の人はそんなものは無視して文書作成をしていると思います。あまり知られてはいませんが、MSOfficeでもスタイルベースの文書作成はできます。しかし利用率は果てしなく低いです(少なくとも私の周りでは、私がしつけた(?)家族以外は見たことがありません)

ではなぜスタイルベースの文書作成は行われないのか?? 答えは簡単です。最初から「太字」や「斜体」のアイコンがツールバーにあり、スタイルの一覧はメニューの奥深くに隠されているからです。ユーザが「文字を太字にしたい」と思ったときに、ツールバーに「太字」というボタンがあれば、それをクリックしてしまうのは仕方のないことです。

しかしあえて言います。文字を太字にするのであれば、正しくは文字スタイルから「さらに強調(OpenOffice.orgの場合)」を選ぶのが正解です。こう言うと色々反感が買いそうですが、こっちが正しいのです。文書のスタイルはそのスタイルの意味付け(セマンティック)で行うべきだと思います。

同じことはblogの「エントリ投稿画面」にも言えます。多くの場合フォントのサイズを大きくしたり太字にしたり色を変えたりするのは、その目的が「強調」であることが多いと思います。ならばインターフェイスとしては「フォントを大きくする」「太字」「色の変更」ではなく、「強調」と表示すべきです。その上で、その「強調」のスタイルを別に設定できるようにすればいいのです。

また、段落を変えるのに空行を入れることもしないで下さい。これもblogに多いです。というか、90%以上のbloggerってこれやってるでしょ!! やめましょう。段落を区切るのなら<p>タグを使いましょう。行間を広げたいのならCSSline-heightを使いましょう。 (これは卒研で多くのblogを見て痛感しました)

もしも、卒研が終り、卒論を書き上げ、卒業旅行を済ませ、今開発しているツールが完成したら、「私の理想のインターフェイス」というものを公開したいなー。まーこの条件をクリアするのは難しそうだけど

どんどん話がそれましたね。これからもこんな感じで啓蒙活動を続けます

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